ケニアを襲った新型コロナウイルス

2020年初頭、全世界を新型コロナウイルスが襲いました。同年3月12日にケニアでも初の感染者が確認され、ケニア政府は、ナイロビの封鎖、都市間移動の禁止、夜間の外出禁止、そして学校の封鎖などの緊急対応を行いました。これらの緊急対応による一定の効果は見られたものの、現在でもケニア国内で新規感染者が増えているのが現状です。

また、こうした状況の中、ケニア国内では様々な問題が噴出しました。

コロナ禍により発生した様々な問題

収入減による生活の悪化

夜間の外出禁止や都市間の移動制限により、普段通りの収入が得られなくなったことで、生活が悪化した家庭が多く発生しました。

若年妊娠の増加

学校が封鎖されたことで、日中の時間を持て余す若者が多くなり、若年妊娠が増加しました。若年妊娠は、少女たちの将来に多大な影響を与えます。

不十分な感染対策

手洗いの徹底、マスクの使用、密集を避けるなど、これまでの生活の中にはなかった新たな生活習慣を実践する必要性が生じました。

このような現状を受け、ケニアの未来でも、新型コロナウイルス感染を防ぐため、また新型コロナウイルスにより生活が苦しくなった家庭を支援するため、主にナイロビの貧困層が生活するインフォーマルセトルメントにおいて活動を行いました。

インフォーマルセトルメントにおける感染予防啓発活動

ケニア・ナイロビ首都圏が都市封鎖されていた2020年5月、6月。17日間にわたって、ナイロビ首都圏最南端に位置するムロロンゴ市街で貧困層が生活するインフォーマルセトルメントで家庭訪問を通じての新型コロナ感染予防活動を実施しました。マスク、石鹸と情報冊子の提供、水の使い方や手洗いのやり方の確認を行い、予防方法の説明を250世帯に対して行いました。また、各家庭の状況についても調査。家族構成、職業、子どもの数、病気や障害を持つ人がいるかどうかなどを確認しながら、特に貧窮している34世帯に対して食料配給も行いました。

こちらの活動は、LUSH事業で研修を行った児童保護ボランティアとして、地域で様々な子どもたちの問題に取り組んでいるマロンザ氏と共に行いました。

若年層への思春期教育

2020年の1月〜5月、病院で確認された19歳以下の女子の妊娠は、マチャコスカウンティだけで4000件に上りました。
この数字はラジオでもニュースになり、今、ケニアの若者の間で非常に大きな問題となっています。病院に行かない子どもたちの存在を考えると、実際の数字はこれよりも多くなることが予想されます。原因としては、学校の閉鎖により、学生たちが時間を持て余していることが考えられ,
ケニアの未来が家庭訪問を行った際にも、ほとんどの子供が、周囲で妊娠した子供がいると答えました。ケニアの未来は、新型コロナウイルスの影響による若年妊娠を防ぐため、思春期の子供達に対する家庭訪問と、性教育を含む、思春期教育を行なっています。


関連リンク

NHKニュース7、BS国際報道で、ケニアの新型コロナ感染予防活動が放送されました。 | Mirai Future of Kenya

活動の様子